ブックタイトルbook2401

ページ
13/24

このページは book2401 の電子ブックに掲載されている13ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

book2401

子どもの治療や通院、入院などが生じた場合は、ご両親の仕事の都合や兄弟の有無など、各家庭の事情や環境を考慮して治療方針を提案しています。地方であっても都会と同じ医療を提供するための診療方法を考えますし、症状によっては躊躇なくほかの医療機関を紹介します。なかには軽症でも転院をご希望される方がいますが、本当に必要かどうかについてご家族と話し合ったうえで、ご希望に合わせて対応致します。いずれにしてもご本人やご家族が安心して治療に臨める最適な方法を一緒に考えて提案する、相手に寄り添った医療を心がけています。気になる子どもの生活習慣病家族で食事や生活を見直そう小児外来の受診内容で一番多いのは風邪ですが、日々の診療を通して私が気になっているのが、子どもの生活習慣病の増加です。特に肥満とされる子どもたちは、小児期の段階から高血圧や高脂血症、糖尿病という合併症が認められるため注意が必要です。原因は脂質や塩分の摂り過ぎ、栄養の偏り、朝食の欠食、夜食を摂る機会が多いことが挙げられます。また、運動習慣は学年が上がるにつれて低下していますし、夜間にテレビやスマホを見ることによる寝不足や生活リズムの乱れが、小児肥満の増加を引き起こしていると言えるでしょう。これらの習慣はご両親の生活習慣の影響を強く受けておりますし、幼少期の生活習慣は成長後の生活にも大きく影響を与え続けることも知られています。ですから、きちんとした食事と適度な運動、しっかりとした睡眠が取れるように生活習慣を見直すことが大切なのです。さらに小児循環器の観点から注目したいのが、川崎病という主に乳幼児が罹患する小児疾患です。以前からある疾患ですが、年間数千人規模だったものが、現在は約1万5000人にまで増加しています。これは全身の血管に炎症がおこる病気で、治療をすれば治るのですが、稀に冠動脈に後遺症が残る場合があり、それが将来的に大きな病気に繋がることもあります。そうならないために必要なのが生活習慣病の予防です。こちらも肥満の子と同様に、脂っぽい食事や塩分の摂り過ぎ、運動不足などに気をつけるよう指導を行っています。ご家族の健康のためにも、この機会に子どもを中心として、身近な食事習慣から見直してみてはいかがでしょうか。気になることや不安なことがあればいつでも、気軽にご相談ください。13