PET検査Q&A
質問一覧
質問PET検診とは?
回答
PET(ペット)検査とは、エックス線CTのようなPET装置で、微量の放射性物質を含むPET検査薬剤を静脈に注射をし、心臓や脳など体のいろいろなところに集まる様子を、外からPET装置で撮影し、断層画像化して病気の原因や病状を的確に診断する新しい検査法です。がん細胞は正常な細胞よりもエネルギー代謝が活発で、正常な細胞に比べて3倍~20倍のブドウ糖を消費すると言われています。PET検査薬剤は放射性のフッ素(18F)で印を付けたブドウ糖(FDG)であり、これを体内に投与するとがん細胞に大量に取り込まれます。それをPET装置で位置、大きさなどを検出します。PET検査の利点は、一度の検査で全身を検索することができる、寝ているだけで検査ができる、使用する薬剤はごく微量のため副作用の心配はなく安全であるなどがあります。このためがんの早期発見や転移、再発の診断に利用されるようになりました。
しかし、PET検査はMRI、CT検査と比べて画像が不鮮明であるという弱点を持っていました。この課題を解決するために、画像が鮮明なCT装置と組み合わせたPET-CT装置が開発されています。PET-CT装置は、PET画像のみよりもより鮮明な画像を提供できるため、がんの早期発見、転移や再発の診断、悪性、良性の鑑別などに大いに期待されています。旭川厚生病院ではPET-CT装置を導入しております。
しかし、PET検査はMRI、CT検査と比べて画像が不鮮明であるという弱点を持っていました。この課題を解決するために、画像が鮮明なCT装置と組み合わせたPET-CT装置が開発されています。PET-CT装置は、PET画像のみよりもより鮮明な画像を提供できるため、がんの早期発見、転移や再発の診断、悪性、良性の鑑別などに大いに期待されています。旭川厚生病院ではPET-CT装置を導入しております。
質問なぜ血糖値を測るのですか?
回答
PET検査は、上述のとおり、がん細胞が正常細胞より糖分をたくさん消費することを利用して検査を行っています。しかし、体内にたくさんの糖分(血中のブドウ糖量=血糖値)があると、もしがん細胞があったとしてもPET検査薬剤の取り込みが少くなってしまい、もしがん細胞があったとしても見つけることが難しくなってしまいます。つまり血糖値が高いと充分な検査ができないということになります。そうしたことを避けるために、血糖値の測定が必要となります。
質問がんのPET検査では何がわかるのですか?
回答
がん細胞は正常の細胞よりも分裂が盛んに行われるため、糖分(グルコース)がたくさん必要となります。そのため18F-FDG(フルオロデオキシグルコース)という薬剤を静脈から注射しますと、がんの病巣にたくさん集まります。その様子を、PET装置で身体の外から撮影しますと、がんがどこにあるのか(存在の有無)、その大きさはどのくらいか(病巣の大きさ)がわかります。PET検査で正確な診断ができると治療法や治療範囲を決めるのに大変役立ちます。特に予想外の病巣を見つけることで、治療範囲を正しく決められます。
質問検査前の注意事項は?
回答
糖の代謝を正しく診断するためには、検査前6時間以上絶食をしていただく必要があります。水や砂糖無しのお茶は飲んでも良いのですが、甘いものは絶対避けてください。お菓子も、検査が終わるまでがまんしていただきます。
PET検査薬剤を注射してから撮影までのあいだは、できるだけ安静にしていてください。筋肉を使うと薬剤が筋肉に集まってしまい、注射後に1時間おしゃべりをすると正常でも喉の筋肉や、読書をすると目の筋肉に薬剤が集まったりしてしまい、特にがんの診断のときには診断が難しくなる場合もあります。注射後は必要以上にあまり動かずリラックスした状態でお待ち下さい。検査の直前には、膀胱内にある注射薬剤の代謝物を排出するため、排尿をしていただきます。
PET検査薬剤を注射してから撮影までのあいだは、できるだけ安静にしていてください。筋肉を使うと薬剤が筋肉に集まってしまい、注射後に1時間おしゃべりをすると正常でも喉の筋肉や、読書をすると目の筋肉に薬剤が集まったりしてしまい、特にがんの診断のときには診断が難しくなる場合もあります。注射後は必要以上にあまり動かずリラックスした状態でお待ち下さい。検査の直前には、膀胱内にある注射薬剤の代謝物を排出するため、排尿をしていただきます。
質問PET検査でわかるがんは?
回答
18F-FDGのPET検査は、ほとんどのがんの診療に有用です。肺がんや大腸がん、食道がん、膵がんなどの消化器系のがん、子宮がん、卵巣がんなどの婦人科系のがんや甲状腺がん、乳がん、悪性リンパ腫や骨腫瘍、悪性黒色腫などの診断にも役立つという報告がなされています。
質問転移したがんは?
回答
この検査はがんの転移をみつけるのに大変役立ちます。がんは、転移のあるなしによって治療法が変わりますので、この検査は有用です。例えば、直腸がんでは、原発巣が膀胱と重なりよく分からないことがありますが、膀胱と離れた骨に転移すると膀胱と重ならないのでPET検査でよくわかります。
質問PET検査が不得手なのは?
回答
PET検査は、すべてのがんで役立つわけではありません。使用する検査薬剤は腎臓から尿として排泄されます。したがって、腎臓や膀胱にがんがあってもよく分かりません。肝臓がん、胃がん、前立腺がんは超音波検査や内視鏡検査などの方が、PET検査より有用なことが多いようです。PET検査に適しているがんと適していないがんがあります。得意ながんとしては、肺がんや大腸がん、食道がん、膵がんなどの消化器系のがん、子宮がん、卵巣がんなどの婦人科系のがんや頭頚部のがん(甲状腺がんなど)、乳がん、悪性リンパ腫や骨腫瘍、悪性黒色腫が上げられます。
質問PET検査はがんの早期発見に役立つか?
回答
大変役立ちます。しかし、すべてのがんがPET検査でのみ早期発見できるわけではありません。PET検査で見つかるがんもありますし、超音波検査やX線CT検査、内視鏡検査、その他の検査法が有用ながんもあります。PET検査は万能ではありません。これまでの検査法と組み合わせることが必要です。
質問PET検査は腫瘍の良性か悪性かの診断に役立つか?
回答
悪性の腫瘍では18F-FDGの取り込みが多く、良性の腫瘍では18F-FDGの取り込みが低いようです。腫瘍への18F-FDGの取り込みの程度で腫瘍の性質を診断しますが、すべての腫瘍で悪性か良性かが明確に鑑別されるわけではありません。
質問PET検査の被ばく量はどれくらいですか?影響はあるのですか?
回答
PET検査薬剤はわずかですが放射線を放出します。また、CT検査はX線を使用しています。したがって、わずかですが放射線の被ばくがあります。
たとえば、放射性フッ素(18F)で印を付けたブドウ糖(FDG)という薬剤を注射してPET検査を1回受けますと、およそ7.4 mSv(ミリシーベルト)になります。ちなみに、我々は自然から常に放射線を受けており、その量は毎年、平均で2.0 mSvになります。国際放射線防護委員会では、1,000 mSvを全身に浴びた人が100人いたとすると、がんになる人はそのうち5人ぐらいであると仮定しています。しかし原爆データを調べると、200 mSv以下では有意な発がんのリスクの上昇は認められていません。つまりこの程度の量では、急性の放射線障害が起きる可能性はいっさいありません。また、将来のがんの発生などを心配されているとすれば、その可能性も心配する必要はありません。
たとえば、放射性フッ素(18F)で印を付けたブドウ糖(FDG)という薬剤を注射してPET検査を1回受けますと、およそ7.4 mSv(ミリシーベルト)になります。ちなみに、我々は自然から常に放射線を受けており、その量は毎年、平均で2.0 mSvになります。国際放射線防護委員会では、1,000 mSvを全身に浴びた人が100人いたとすると、がんになる人はそのうち5人ぐらいであると仮定しています。しかし原爆データを調べると、200 mSv以下では有意な発がんのリスクの上昇は認められていません。つまりこの程度の量では、急性の放射線障害が起きる可能性はいっさいありません。また、将来のがんの発生などを心配されているとすれば、その可能性も心配する必要はありません。
質問PET検査は健康保険で受けることができるのですか?
回答
現在では、健康保険を適用できるPET検査は、「15O標識ガス剤を用いた場合」と「18F-FDGを用いた場合」の2種類です。18F-FDGを用いた場合には、てんかん、虚血性心疾患、悪性腫瘍(脳腫瘍、頭頚部がん、肺がん、乳がん、膵がん、大腸がん、悪性リンパ腫、悪性黒色腫及び原発不明がんに限る。)の診断を目的として、一定の要件を満たす場合に保険適用できることになっています。