臨床工学技術科のご紹介
臨床工学技術科の概要と構成について
当院、医療技術部臨床工学技術科は平成30年11月現在、技士長1名・係長3名・主任4名・技士15名・医療助手1名で構成しています。
当院での業務は主に、MEセンター業務・人工透析センター業務・手術室業務・集中治療室業務・心臓血管カテーテル業務・高気圧酸素治療業務を行っており、チーム医療に貢献しております。
認定資格取得一覧
高度な知識・技術の習得ならびにチーム医療への貢献のため、認定資格の習得に積極的に取り組んでおります。
取得資格 | 取得人数 |
透析技術認定士 | 8名 |
3学会合同呼吸療法認定士 | 6名 |
体外循環認定士 | 2名 |
臨床ME専門認定士 | 2名 |
心臓血管インターベンション技師 | 1名 |
消化器内視鏡技師 | 4名 |
各業務の紹介
MEセンター業務
MEセンターでは輸液ポンプ、シリンジポンプ、患者監視モニター、人工呼吸器等、院内で使用される医療機器約3000台の保守管理を行っています。
患者さんに使用後、MEセンターに返却された機器は清拭し、また安全に使用してもらうために点検整備を行い、使用部署に貸し出されます。修理が必要な場合はメーカーとも連携し、迅速な対応を心がけています。
病院が新築移転してからは、貸出室と返却室を分け、感染対策にも力を入れています。
その他の業務として、機器のトラブル対応、使用に関しての相談対応、購入時の機器選定、スタッフ向けに機器使用方法についての学習会の実施、病棟の人工呼吸器使用中点検、在宅人工呼吸器の対応、ペースメーカーチェック等、幅広い対応を行っています。人工透析センター業務
人工透析センターでは、透析ベッド数が30床、全台オンラインHDF対応の人工透析装置を設置しました。約100名の患者様に対し、祝祭日関係なく月曜日から土曜日までの午前・午後で人工透析治療を実施しています。
業務内容は、バスキュラーアクセス(内シャント)への穿刺から返血までの臨床業務のほか、安全に人工透析治療が実施できるように装置の保守管理を行い、安心な透析液を患者様に提供できるように透析液の元となる透析用水から清浄化に取り組み、毎月の水質検査でウルトラピュアな水質を維持しています。また、腹水濾過濃縮再静注法や、血漿交換療法、免疫吸着療法、白血球除去療法など各種血液浄化療法に対応しています。
手術室業務
手術室では、11名の臨床工学技士チーム(心臓カテーテル、集中治療・救命センター、高気圧酸素業務 兼務)による24時間体制(夜間休日1名)で各診療科の様々な手術に対して、ME機器に関する臨床技術提供と、保守管理を行い安全・高度な手術実施のサポートを行っています。
臨床技術提供においては、外科・産婦人科・泌尿器科等で行われる腹腔鏡・胸腔鏡手術、耳鼻科や整形外科、脳神経外科などで行われる鏡視下手術に対して機器のセッティングや機器操作などを行っています。また、脳神経外科、整形外科、耳鼻科などの顕微鏡手術や術中の出血を処理する自己血回収装置など様々な技術サポートを行っています。
心臓血管外科においては手術中に患者様の心臓と肺の役目を果たす人工心肺装置の操作及び術中循環管理を行っており、各科で使用されるレーザー手術装置や電気メスや超音波メスなどのエネルギーデバイスについても医師や看護師と連携協力しながら臨床サポートを行っております。
近年では脳神経外科や耳鼻科で使用するナビゲーションシステムの操作や、ロボット支援手術に対しても操作管理業務を行っています。さらに、平成30年11月に導入した手術映像システム(Carina© ADMENIC®システム)による手術映像全般についても管理サポートを行っています。
集中治療室業務
救急・集中治療室業務での臨床工学技士の役割は、生死に直結する高度な専門性を要する現場にて緊急性の高いPCPS(経皮的心肺補助)やIABP(大動脈内バルーンパンピング)、RRT(腎代替療法)、アフェレーシス療法、低体温療法、人工呼吸器などの治療に用いる生命維持管理装置の準備・操作、治療アドバイスならびにサテライトME室にて機器の保守点検(使用後点検・定期点検)を行い、意思、看護師などメディカルチームのサポートを行っています。
また、ICU、NICU・分娩室に配置されている血液ガス分析装置の保守管理も行っています。NICU(新生児集中治療室)においても同様に巡回点検や人工呼吸療法関連(人工呼吸器やNO療法)や低体温療法についても医師、看護師などのメディカルチームのサポートを行っています。
心臓血管カテーテル業務
高気圧酸素治療業務
高気圧酸素治療は、大気圧より高い気圧環境の中で、酸素を吸入することにより通常の大気圧下での呼吸で得られる酸素量より、10~20倍もの酸素を体内に取り込む事ができます。適応疾患は、一酸化中毒、突発性難聴、脊髄神経疾患など多岐にわたります。
当院では100%酸素を流し、装置内圧を2気圧まで加圧し治療を行っています。治療の際はわずかな発火源や静電気の滞留でも事故に繋がる恐れがあるため、装置内への持ち込み物や衣類など、安全のために厳しく制限しています。我々臨床工学技士は治療への安全管理に責任を持ち、装置の操作・保守管理を行っています。
内視鏡室業務
内視鏡室では胃カメラなどの検査やポリペクトミーなどの治療が行われています。私たち臨床工学技士は内視鏡室で機器管理業務と直接介助業務を行っています。
機器管理としては、内視鏡スコープや電気メスなどの日常点検から定期点検、トラブル対応、修理対応など。直接介助としては、ポリペクトミーやEMR、ESDなどの治療に入って医師のサポートをしています。
その他院内活動
院内での教育活動
人工呼吸器などの生命維持管理装置の学習会を中心に、平成29年度は合計81回実施し、延べ916名が参加しています。