血液浄化業務
血液浄化業務について
血液浄化業務では、血液透析(ろ過)療法やアフェレシス療法を行っています。人工透析室をはじめとして集中治療室(ICU)や冠疾患集中治療室(CCU)など多部門で業務を担っています。
血液透析(ろ過)療法
血液透析(ろ過)療法の対象疾患は慢性腎不全、急性腎不全です。臨床工学技士はシャントへの穿刺から返血までの臨床業務のほか、装置を安全に使用するための保守管理を行っています。また、オンラインHDFを導入し患者様へ合わせたより良い治療を提供しています。オンラインHDFには透析液の清浄化が不可欠なため、学会で定められた水質基準を堅持するために定期的な検査やメンテナンスに取り組んでいます。
アフェレシス療法
アフェレシス療法とは体外循環によって病気の原因となる物質を除去する治療です。当院では顆粒球除去療法(GCAP)などをはじめとする様々なアフェレシス療法に対応しています。
単純血漿交換法(PE)
血液中の血漿成分に存在する広範囲にわたる病因物質を除去し新鮮凍結血漿やアルブミン製剤で補充する治療法です。対象疾患は劇症肝炎、自己免疫疾患など多岐にわたります。
二重膜濾過血漿交換法(DFPP)
血液を血球と血漿に分離し、さらに血漿成分を分画分離し病因物質を含んだ血漿は廃棄、それ以外の血漿は身体に戻し、廃棄した血漿と同量のアルブミン製剤を補充する治療法です。対象疾患は家族性高コレステロール血症や自己免疫疾患などです。
血漿吸着療法(PA)
血液を血球と血漿に分離し、さらに分離された血漿を血漿吸着器に通すことで病因物質を除去する治療法です。対象疾患は高ビリルビン血症や自己免疫疾患などです。
血液吸着療法(HA)
特殊な吸着器に血液を通過させることで病因物質を吸着除去する治療法です。対象疾患は敗血症などです。
顆粒球除去療法(GCAP)
炎症に関与している顆粒球を選択的に除去します。治療は基本的には1回約60分の治療を5-10回行います。適応疾患は潰瘍性大腸炎やクローン病などです。IBDセンターとの連携のもと多くの件数を実施しています。
腹水濃縮濾過再静注法 CART
癌や肝硬変などによって貯留した腹水を腹水濾過器により、細菌、がん細胞や血球成分などを除去し、アルブミンやグロブリンなどのタンパク成分を回収して静脈注射で体内に戻す治療法です。CARTは患者様の全身・栄養状態の改善によるQOL(Quality of Life)の向上を図ります。