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膝の痛みについて 当院での変形性膝関節症に対する取り組み

歩いている時、階段の上り下り、正座の際、仕事の後などに膝の痛みがある場合は、膝の軟骨や半月板などがすり減っている場合があります。この病態を変形性膝関節症といいます。下記の症状がある方は変形性膝関節症がある可能性があります。

膝の構造




膝の痛みのチェックリスト



2008年の調査によると、40歳以上の男性40%、女性60%の方が変形性膝関節症を有すると報告されており、非常に多くの方々が膝の違和感や、痛みに苦しんでいる状況です。
当院では変形性膝関節症に対して患者さんのニーズ、進行度に合わせた治療を行っています。変形初期は関節の内側からすり減り、関節の隙間が狭くなってきます。進行とともに外側にも変形が現れます。

変形性膝関節症の進行度




症状が比較的軽い患者さんには保存加療(ヒアルロン酸関節注射、装具など)を行っています。
残念ながら、一度すり減った軟骨、半月板は再生する事はなく、痛みが続く場合は手術を検討します。

初期変形性膝関節症(Stage1~2)

初期の変形の患者さんに対しては関節鏡(内視鏡)を用いた低侵襲(体に対する負担の軽い)手術で対応します。半月板のクリーニング、縫合が中心になります。内視鏡を使っての手術ですので傷も小さく、入院期間は比較的短いです。

関節鏡手術




中期変形性膝関節症(Stage2~3)

膝の変形が進行すると徐々に内反(O脚変形)が現れます。O脚の進行に伴い膝内側の痛みが強くなり、長時間の労働や、スポーツ活動などが困難になります。中等度の変形の場合、関節温存手術が適応になります。O脚変形を矯正する骨切り術を行うことで疼痛の緩和を図ります。
手術はまず、関節鏡で半月板に対する処置を行い、膝の内側から骨切りを行います。術前計画に合わせて徐々に矯正をかけ、人工骨とプレートを用いて固定を行います。骨が癒合した後は日常生活の制限はなく、仕事やスポーツ復帰が可能となります。
特に、十勝を支えておられる農業に従事されている方によい適応と考えております。普段の歩行はさほど問題ないが、長時間労働や、スポーツ活動の後に膝の痛みがある方はご相談ください。温存可能な関節は極力温存する事を心がけております。

高位脛骨骨切り術(関節温存手術)





後期変形性膝関節症(Stage4)

変形が進行した場合には人工関節置換術を行います。膝の全体に変形があるため、人工関節に置き換えることで痛みを緩和します。変形性膝関節症に対する手術のうち最も一般的な手術で、当院でも多く行っております。
傷んで変形した関節の表面を取り除いて、金属やポリエチレンなどでできた人工関節を骨に設置する手術です。
変形性関節症は徐々に変形が進行する病態です。膝の痛みで悩んでおられる方々は比較的ご高齢の方が多いと思います。社会保険庁が発表した2008年のデータによれば、人工関節を受けられる患者さんの平均年齢は73歳であり、比較的高齢の方が手術を受けております。
比較的高齢な方が対象となることが多い人工関節手術は、総合病院である当院で行うことで、他科の先生と連携を取りながら安全に手術を行うことができると考えております。

人工関節置換術







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最終更新日:2020年12月21日

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